リム剛性

 今回はリム剛性についてです。クランクとフレーム剛性が重要なのと同じようにホイール剛性も自転車のロスに係わる重要なファクターです。ホイール剛性で最も支配的なのがリム剛性です。リム剛性は通常、縦剛性と横剛性を見るのが一般的です。

 リムの縦剛性が高いほどスポークテンションの変動を低く抑え、スポークの負担を減らし、スポークを少なくすることができます、縦方向の乗り味も硬くなります。縦剛性の低いリムのホイールは縦方向の乗り味がやわらかく、しなやかで、振動を吸収するフィーリングになりますが、スポークの負担は増え、スポークの本数を増やす必要があります。

 リムの横剛性が高いほど、コーナリング時のたわみを抑え、思い通りのラインを走れます。スポークの負担も減ります。最近はありませんが、昔は横剛性の低いホイールがあり、ハンドルを切っても全然曲がれないホイールなどというものもありました。リムのせいというよりもめちゃくちゃなスポーキングをしたりしてもホイール剛性は破綻します。縦剛性は低くてもむしろ良いとされたりもしますが、横剛性が低いと乗り味は劣悪と判断されます。横荷重によりホイールセンターがずれますからロスの原因にもなります。

 という分けでここからが本題で今日はリム形状の違いによる縦・横剛性の違いを解析で見ていきます。用意したのは形状は同じで、高さ違いで24mmと50mmのリムです。これのリム単体剛性を比べてみます。ちなみに世の中に24mm高さのホイールがなぜか多いのは24mm以上の高さになるとUCI衝撃試験という試験をUCIでやらなければならないためで、これがなかなかに厳しいため試験を避けるためです。

【解析条件】

リム形状が同じ、肉厚同じ、で高さ24mmと50mm違いで解析

【荷重条件】縦剛性:縦に100kg負荷 横剛性:横に20kg負荷

解析用リム

荷重条件 縦剛性 横剛性

解析結果(左縦剛性、右横剛性結果)

 50mmリムが縦剛性で約5倍、横剛性で約2倍高い結果となりました。50mmリムの方が重たいのである意味当たり前ではありますが形状も有利なためです。実際のホイールではスポークテンションによりホイールが強化されるので、ここまで変位は大きくなりませんが、当然リム剛性が高いほうがホイール剛性は高くなります。スポーキングの影響もホイール剛性には大きく係わりますが、それはまた別の機会に。ホイール剛性はリム高さにより、おおよそ決まります。高剛性ホイールを購入されたいならリムの高いものを選びましょう。 軽量性を狙って高級ブランドの24mmカーボンチューブラーを買ってみたけど、剛性がいまいちであまり進まないってこともあります。ホイールは正しく選びましょう。
 経験的にですが、リム高さが80mmを超えてくるとどういうわけか乗り味が悪化する傾向がありますし、アルミとカーボンのハイブリッドリムも進まない傾向が強いので避けた方が安全です。ホイールにはまだ良く分からない事があります。