ホイールの真実1(解説編)

今回はホイールのテンション構造についての解説です。

 ホイールのテンション構造を説明すると結構話が長くなってしまいますので何回かに分けて解説したいと思います。

 ところで、みなさんホイールに以下のように荷重がかかった時の各スポークのテンションがどうなっているかご存知ですか?

 全てのスポークが均等に引張られ力が分散していると思いますか?

それとも上側スポークだけが力を支えていると思いますか?

残念ながら両方とも違います。ではここで正解を示すために実際に応力解析した結果を示します。以下の図は実際の変形を600倍したものです。

 この図を見るとどうもリム下側が特に変形しているように見えますよね。次は真横から見た図です。

 完全に下側が潰れていますよね。実際のホイールでも同じ変形の仕方をします。さらこの状態の時のスポークテンションの変化は以下のようになります。

 なんと上側で負荷はいくらかささえられるものの、ほとんどの負荷は下側スポークテンションが緩み、その反力でささえているのです!

上側スポークが支える力を1としたらスポークテンションが緩む力はその4倍にもなります。スポークは車輪が1回転するたびに、この緩むと張るの負荷を繰り返し受けているのです。

そんな分けないと思いますよね?ではお手持ちのバイクで実験してみて下さい。
ハンドルに思い切り体重を乗せ、その間にご友人に車輪上下のテンションを測定してもらって下さい。この通りの結果となります。

リムの変形がスポークのテンション変化に対して重要な事が分かりました。ではリム剛性が高い物と、低い物の場合スポークテンション変化はどう違うのでしょうか?
50mmハイトのリムと24mmハイトリムで解析し、比較しました。両方ともアルミで肉厚同じです。以下が解析結果になります。

24mmハイトホイールの方がより変形しているのが分かります。解析では約30%変位が増えました。同時にスポークテンション変化も24mmハイトホイールの方が30%大きくなり、応力も増え、スポーク疲労寿命が数倍短くなります。これはリムの縦剛性が50mmハイトリムの方が高いためで、リム剛性を上げる事はリム強度だけでなく、スポーク疲労強度を同時に高め、ホイール寿命を延ばす事につながります。皆さんも高ハイトのリムやスポークが事故や熱ダレではなく、純粋な走行疲労のみで、壊れたり・切れたりした経験のある人は少ないはずです。ローハイトホイールは剛性が低いだけでなく強度面でも劣ります。有名ブランドでもローハイトで超軽量だと値段が高いのに全然進まないってことがザラにあります。

こういった理由でSACRAでは高ハイトリムのホイールをお勧めしております。