ホイールの真実4(解説編)

今回はタイヤに空気を入れた時にホイールにどのような影響があるのか解説します。

ご存知の通り、タイヤに空気圧を入れたとき圧力はタイヤとリムの全ての方向に対して均等に圧力がかかります。

空気圧を7気圧にした時、タイヤ内部には0.7[MPa]もの圧力がかかります。
この圧力が1m×1mの正方形の範囲に加わった場合、約70トンもの力が加わっていることになります。
なかなか大きな力です。


ここでタイヤを消して、ホイールにかかる力だけを見ていくと、この圧力は主にクリンチ部を横に広げようとする力とホイール内側に圧縮しようとする力の2種類であるということが分かります。


この時、クリンチ部の面積と圧力から計算すると、クリンチ部を広げようとする力がクリンチ全体に約930kgfとなり。リムを圧縮しようとする力がリム全体に2800kgfとなり無視することができないほど大きな力である事が分かります。

ということでいつもどうり解析してみます。解析条件は上記と同じです。
ちょっと見にくいですが赤みを帯びるほど応力が低いです。早速解析結果を見ていきます。

と思ったのですが、今回の変形はどの角度から見ても分かり難いので応力図のみでの比較にします。上図を見るとスポークも空気圧の影響を受けているのが分かります。リムが圧縮を受けているので当然スポークテンションにも影響を与えます。このホイールだと約18kgfスポークテンションが下がりました。

次にリムハイトが高い時にどうなるのか解析しました。
リム剛性が高いためローハイトリムよりもスポークテンションは下がらず約11kgfとなりました。

次にチューブラーホイールの時はどうなるのかというと、実はチューブラーホイールでは空気圧がリムに加わらないため、空気圧によりスポークテンションは下がりません。

つまりチューブラーホイールのスポークテンションはクリンチャーホイールよりも空気圧の影響分スポークテンションを下げる事ができるのです。

今回はローハイトリムでも肉厚の厚い断面で計算しましたが、軽量ローハイトアルミリムは限界まで肉厚を削いでいるため、計算結果よりもスポークテンションが下がると思われます。
お手持ちのホイールで空気圧を入れてテンションの変化を測定してどう変わるのか試してみて下さい。
また高ハイトリムなのに空気圧を入れた時にスポークテンション変化が大きいものはリム剛性が低いと思われますので本手法によりリム剛性の推定がおおまかに可能となります。

今回のコラムはここまでです。次回おたのしみに!