リオ個人TTのポジション

 今回はリオオリンピック個人TTで優勝したカンチェラーラのポジションの考察です。実際の
写真からポジションをトレースして日本人のポジションと比較してどうちがうのか考えてみま
す。

 以下がリオオリンピック時のカンチェラーラのポジションです。特徴として背中と頭の高さ
が近く、ヘルメットから腰まで流れるような流線形になるようなポジションとし、ヘルメット
からの空気の剥離を抑え空気抵抗を最小にするようにしています。背中を頭の高さに近づける
ため腕は内側に引き込み、頭の位置も下げるために、DHバーはかなり近めの位置に置いている
のが分かります。結果として骨盤角度も大きくとれるため出力も大きくなります。

 一方で日本人の従来のポジションが以下になります。DHバーが遠いため、背中は延びきり、
窮屈なため頭の位置も上がり、背中との落差が大きくなり、ヘルメットの後ろから空気はすぐ
に剥離、一見すると体の高さは低いので空気抵抗は低そうですが実は空気抵抗は高くなります
。骨盤角度も小さいため、出力も小さくなってしまいます。

 これだけでは、本当に空気抵抗が低いと確信が持てないと思いますので、ここで最近のエア
ロホイールのリム形状から同様の事が言えますので考察していきます。


 最近のエアロリムはタイヤよりも幅が太く、先端をなだらかな流線形にすることが主流とな
っています。これはタイヤ後端の空気の剥離とリム先端の空気の剥離を抑える効果があり、リ
ム幅が狭いよりも、太い方が空気抵抗が下がることが風洞実験より分かっています。

以下の図が一世代前のリム形状です。リムが細く、タイヤ後端から空気が剥離して空気抵抗が
大きくなります。

 先ほどのDHポジションも同様で頭と背中で高さを合わせ、なだらかな流線形を作ることが重
要と言えます。