ホイールの真実(余談)

今回はホイールメーカーから見たライダーについて書きたいと思います。

ホイールを開発するにあたりトップライダーにホイールを供給したり、インプレをお願いしたりするのでメーカー側には多数の意見が寄せられます。

なかなかメーカー側からライダーの意見をまとめた記事はないので興味深いかと思います。

メーカーのエンジニアはホイールのデータを持っていますのでライダーからコメントをもらい、これはどこの性能を感じていて、どこの設計を変えようかデータを思い浮かべながら話を聞いています。

経験上ライダーの話とホイール性能の主題は以下の4要素が大半を占めます。

1.エアロ性能

2.重量

3.駆動剛性

4.横剛性

この4要素のデータを思い浮かべながらこのホイールの性能はどうかという事をメーカー側は完全に把握しています。

ちゃんとベンチマークしている会社なら他社データも全て把握しています。

さてライダーが何を感じているか、結論から言ってしまうと千差万別です。

全てトップライダーのコメントですが、同じホイールを渡してもばらばらのコメントが返ってきます。

ライダーA:フロント硬くて良いですね。リアは硬すぎます。

ライダーB:駆動剛性がもっと欲しいです。

ライダーC:硬すぎます。

ライダーD:硬くて良いですね。進みます。

このコメントだけみると硬くしたら良いのか、柔らかくしたらいいのか、どうしようとなってしまいす。

ですが、ライダーの意見は通常これくらいばらつきます。

なぜこんなにばらつくのかというと、ライダーのレース戦略や実力によって重視するポイントが違うからです。

ホイールの横剛性は全く気にしないけど、駆動剛性には敏感な人がいたり、その逆の人がいたりもします。

変速性能に敏感な人もいれば、変速すればいいという人もいますし、サドル高さに敏感な人もいれば、鈍感な人もいます。

トップライダー同士でもばらばらです。

ではメーカーデータと一致するコメントをはっきり言い当てられるライダーがいないかというと、たまにいます。

稀にですが、ちょっと設計変えただけでも全部感じ取れるスーパーライダーがいます。

かなりの数のホイールを乗り込んできた人がスーパーライダーになる傾向があり、やはり早い人です。

 

今までコメントを取った中で一番早いトッププロにどんなホイールが欲しいか聞いた事があるのですが以下のようなコメントでした。

「重量なんかどうでもいいから、とにかく剛性が欲しい。」

雑誌もトレンドも無視した、なかなか大胆なコメントです。SACRAも重量よりも剛性とは言ってはいますが、ここまでは言い切れないです。

本当のトッププロは強すぎて踏み抜けてしまうため、重量よりも剛性が無い事により力が逃げる方がロスが大きいのです。

100g程度軽量化しても体重で割ると0.1%程度しかパフォーマンスアップしないので理屈にも合っています。

ほとんどのメーカーは軽量モデルをトップモデルとして売りたいのでこういうコメントは表に出てこないです。

SACRAで軽量版を作ったとしてもプロに出すのは重量のある剛性重視のモデルを供給することになるでしょう。

いずれにしても強い選手は雑誌やトレンドに流されず自分の欲しい性能を各々持っています。

 

剛性の低いフレーム・ホイールを購入してしまったが最後、二度と剛性を上げる事はできません。

高価な物なので買い換えもなかなかできませんので、SACRAでは気持ち剛性の高いフレーム・ホイールを購入し、値段が安く剛性が調整し易いシューズやサドル・グローブで剛性調整することをお勧めしております。※参考コラム「剛性を調整するならシューズで

フレームやホイールと違いドライブトレインロスと関連性がないため抵抗の低減にもつながるメリットがあります。

それと軽量化が業界的に限界をすでに迎えていて、軽量化を突き詰めても大して変わらないのと、UCIの6.8kgの重量規定に引っかかるため余剰重量を新機能、低抵抗、高剛性、エアロに振ろうというのがSACRAの目指したい方向でもあります。